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障害者アートや福祉とデザインに関することなどを綴っています。

【いま未来に向かって】アーピカル☆初展覧会を見てきました

2019/10/31

2020年東京オリパラの影響もあってか、東でも西でも、いやきっと日本全国どこででも、
障害のあるアーティストの展覧会は増えていると思います。
私も職業柄、障害者アートの展覧会によく足を運びますが、
特に西日本は昔から福祉とアートのつながりが深く、活動もさかんで、展覧会もたくさん開催されています。

福祉施設で行われるアート活動に注目が集まっていますが、
自宅でもない、学校でもない、第三の場所でのアート活動も必要とされています。


アーピカル☆はまさにそんな“第三の場所”です。
2007年から有志の講師2名と生徒さんで続けておられるアトリエ活動。
アートで光る=アーピカル☆、が名前の由来。
私は以前一度、そんな彼らのアトリエ活動をのぞきにいかせてもらったことがありますが、
みなさんゆる~く、自由に、楽しく、創作をされていたのが印象的でした。
そんな今年12年目のアーピカル☆が初の展覧会を開催されました!

展覧会タイトルは「いま未来に向かって」!素敵なタイトルです♪


実はこの展覧会、私は裏方として会場設営・作品展示のお手伝いを少しさせていただきました。
こちらは、アーピカル☆講師のお二人。


私はこちらの壁面を担当。
作品をきっちり等間隔に貼り付けるため、代用の紙で位置決めを行います。


真剣に作業している私w


そしてこちらはアートディレクター・宮下忠也さんの作業風景。
宮下さんは、多くの展覧会のキューレーションを担当されている方です。
通常は、展覧会のテーマを決めるところから作業に参加し、
作品選び、展示計画、現場での設営など一連のお仕事を請け負われるそうです。
今回は、部分的な展示設営の担当と、展示全体についてのアドバイスをされていました。


ランダムに作品を並べる場合は、丸く見えるように並べるのが最近のトレンドですよ、
と宮下さんにアドバイスをもらっているところです。
一見バラバラに並べているようでも、きちんと見る人の目線や動線を考え計画しているんですね。


会場入り口あたりの風景。
こうしてみるととても良いです◎温かいです。


こちらは、宮下さんが展示したエリア。


私が担当したエリアはこんな感じに仕上がりました。


ここもカッコイイですね!
彼の作品は、タイトルもかっこいいそうです。


チラシのイメージビジュアルにも使用されている、アーピカル☆を代表する作品「えがお」
毎回、この「えがお」を描いているそうです。
一度、この笑顔は誰なのか聞いたことがあるそうですが、「お母さん」と言ったそうです。
嘘かほんまかわからんけどね、とww


こちらも宮下さんが展示したエリアです。カッコイイです!!
作品と、作品を描くときに下に敷いた新聞紙。
どちらが作品でどちらが作品じゃないのかわからなくなるようなインスタレーション展示。

この作家さんは、親御さんには「アーピカル☆ではちゃんとした絵を描いてね」と言われているそうで、
一応、ポートタワーや人物画などを“それらしく”描くそうなのですが、
下に敷いている新聞紙にもいつも何かをこそッと描くそうなのです。
その、こそッと描く行為に注目した講師のお二人もさすがです。


こちらは、以前、講師の先生が作者から譲り受けた作品なのだそうです。
今回の展覧会用に改めて見直していたら、作者本人が急に恥ずかしくなったのか、
電車の左部分に紙を貼り付け、文字を隠してしまったそうです。


何を隠したのかというと・・・

「仏様に おこられる 神様」

衝撃ワードです(≧▽≦)
しかし、何故隠したかったのかは謎だそうですw
(そして、隠しきれてないところがまたかわいいw)


この作品は、最後までどこに展示するか悩んでいた作品。
でも私この作品、とても好きです♪
かわいいです。
結局、入口の芳名帳を置く台に置かれていました。
「こんにちわ」って感じで^_^

実はこの展示会場のとなりで、同じく障害のある方の作品展示の準備が同時刻に行われていました。
アトリエひこの久田奈津紀さんの個展準備だったのですが、
彼女の作品はなにせ迫力がスゴイ!!!
展示準備もスタッフや家族のみなさんが総出で、大量の作品をテキパキと展示されていきます。
そんな様子を見たアーピカル☆の岡崎さんが、
「うちの作品はまだまだやなー。」と、照れたように仰っていました。
確かに、久田さんの作品は、それはそれは圧倒的ですごかったのですが、
でも、こうして改めてアーピカル☆の作品を見てみると、
とっても温かくて、アットホームで、それぞれ自分の好きがにじみでていて、
これはこれで素敵な展示だなー♪と心からそう思いました。

アーピカル☆はきっと、これからもコツコツ活動を続けていかれるのだと思います。
そしてまたきっと、いつかどこかでこんな温かな展示が見れるのだと思います。
これからも、微力ながらアーピカル☆を応援していきたいなと思います。

アーピカル☆のインスタグラムはこちら→★https://www.instagram.com/arpikal.star/

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